2011年10月7日金曜日

小沢一郎が首相だったら福島原発事故はどうなっていただろうか


リバタリアン宣言 (朝日新書)

小沢一郎支持者は、小沢氏が首相になりさえすれば、原発の始末も含めてすべてがうまく行くかのように言います。飯山一郎氏のような知恵のない人を見ていると、小沢支持者の考え方がよくわかるようです。そして、当時菅直人氏が首相であったことが日本の悲劇であるかのように言います。

しかし私はそういう風には思いません。

実際はむしろ逆で、もし小沢氏が首相だったら、今頃本当に「東日本壊滅」だったかもしれないと思います。

ネット右翼は、震災翌日の菅氏の原発視察によってベントが遅れて事故が大きくなったかのような宣伝を繰り返しており、私も一時はそうなのかと思ったことがありますが、実際はそうではなかったようです。

むしろ、そのとき、東電はすべての責任を放棄して福島から撤退しようとしており(当然、幹部は日本も撤退)、菅氏はそれを叱り付けるとともに、自ら範を垂れて現場に行ったようです。

もしも東電が福島撤退していたら、原発のことを一番知っている東電が原発の管理を放棄するということで、注水もしないということであり、仮に自衛隊や消防がやみくもに水をかけたとしても(例のヘリ散水のように)有効な冷却活動ができるわけがないので、すでにメルトダウンしていた原子炉は冷却されることなく臨界と水蒸気爆発を繰り返し、東日本全体が死の町になっていただろうと思います。

この動画のタイトルを見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=BUsFzxHV01U

http://sitiheigakususume.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-93f3.html


一方、もし小沢氏が首相だったらどうなっていただろうか。私は、小沢氏は東電の要求を受け入れて、事を荒立てない(すべて隠蔽する)方向で解決しようとしたに違いないと思います。

小沢氏の選挙区の岩手県は、震災と津波の被害も受けており、私は震災後ドイツ気象庁が提供していた放射能拡散予測を毎日見ていましたが、岩手県付近もかなり濃い放射性物質が降り注いでいるようでした。

ところが、小沢氏が岩手県民のために何かしたという話はまったく聞きません。本当に地元民のことを考えるなら、希望者が疎開できるような手立てをするのがよいでしょうが、支持者を疎開させてしまったら支持基盤がなくなるのでやりません。震災や津波から復興についても、小沢氏が地元のために積極的に何かやったという話を聞きません。むしろ、震災後長い間何をやっていたのかわからない。

小沢氏が日本の首相だったら、日本国民は岩手県民と同じように扱われたはずです。

非常時にはその人の地金がでます。小沢氏が首相として震災と原発事故に遭遇すれば、小沢一郎という政治家の本来の体質が出ることになります。

小沢一郎の「本来の体質」は何かといえば、「日本型リバタリアン」とでもいうべきものでしょう。

「日本型リバタリアン」とは何か。それは、具体的にいえば、「特権層の利己的行動の自由を最大限に尊重する」です。

野党になって(今は与党ですが事実上野党的な立場で)劣勢にたち、いまは愚衆が喜ぶような甘いことを口走らざるをえないわけですが、小沢一郎の体質がそう簡単に変わるわけではないでしょう。

「日本型リバタリアン」として「特権層の利己的行動の自由を最大限に尊重する」小沢一郎氏が、首相として原発事故に対峙する場合、まず考えることは特権層の生命身体財産を保障するということです。東電を含む大企業幹部や高級官僚の家族を海外に疎開させ、日本から完全に退避できるように資産も移転させる手続きを粛々と進めることだったはずです。

情報統制も今より徹底したはずです。今はガイガー計測器などもかなり一般に普及していますが、小沢氏の腕力をもってすれば、放射線計測器の民間流通を一切禁止し、政府や東電が一方的に流す線量値しか国民は知ることができないような専制を敷くこともできたはずであり、そのようにしたでしょう。徹底した情報統制の下に国民を置いた上で、特権層だけを逃がすということをしたはずです。

人間の体質がそう簡単に変わるわけではありません。後藤田とか中曽根とか、本来これ以上ないタカ派で独裁主義的な血も涙もない人間が、年をとってから「平和と人権と民主主義」の味方のように装い、人気取りをすることがあります。小沢のように政界での立場が悪ければなおさらポピュリズムに走るのでしょう。

小沢を持ち上げている左翼・プロ市民の連中も、小沢の本質はわかっているはずですが、わかりながら小沢を清らかな善人のように描こうとしています。彼らに共通していることは「力を愛する」ということであり、その一点で、下のほうに落ちてきているがまだ力のある小沢を自分たちのセクト的な利害のために利用しようとしているのでしょう。小沢はもちろん利用できるなら左翼でもなんでも利用して権力を奪還したいだけです。


自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書)

Tehran

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